旅人つづき | ささやかな挑戦

旅人つづき

解き放たれし龍のように舞い、ひとに歓喜の楔打つ

ひとりは
かつて世界の頂上に立ち今尚人々に爽やかな感動として残るかた
後進の行く末を案じるとき
ひょうきんな一面は消え
苦悩が深く皺に刻まれてみえる
超人なるが故に抱く怒りか嘆きか
しかし走路に戻れば世界の王たる虎の顔が蘇る

ひとりは
都大路を制する野望を持つ聖職者
その語りは柔らかく穏やかで熱いが激することはない
またその探究心は止まることを知らず
伝統の殻を破るに臆することはない
遥か上空より見渡す鷹の眼と
獲物を逃さぬ鷹の爪をもつかただ